中国の首都・北京を訪れ、万里の長城に行ってきました。
訪れた時期は真冬の12月末。
訪れた場所は慕田峪長城(ぼでんよくちょうじょう)。
今後の訪問を予定されている方に、少しでも参考になれば幸いです。
万里の長城とは
中国には50カ所を超える世界遺産がありますが、その中でもトップクラスに有名なのが万里の長城。
秦の始皇帝の時代、北方異民族の侵攻を防ぐために建造が始まり、歴代王朝による増改築を経て、現在の姿になったそうです。
紀元前に編纂された「史記」に既に長さは万里余と記載されていたそうですが、2012年の中国の発表によると、長さはなんと20,000km超。
日本の本州の長さは約1,500kmだそうなので、いかに規格外か分かります。
進撃の巨人に出てくる壁の比じゃありませんね。
なお、現存する長城は明代のものが中心だそうです。
万里の長城の観光
上で書いた通り、万里の長城は山脈に沿って延々と東西に伸びているため、各部分にそれぞれ「〇〇長城」と地名がついています。
観光する場合、都市からアクセスの良い「〇〇長城」を見に行くことになりますが、首都・北京に近いのは以下の4つ。
- 八達嶺長城(はったつれいちょうじょう)
- 慕田峪長城(ぼでんよくちょうじょう)
- 金山嶺長城(きんざんれいちょうじょう)
- 黄花城水長城(こうかじょうすいちょうじょう)
最も定番なのは八達嶺長城だそうですが、今回は慕田峪長城
(ぼでんよくちょうじょう)に行ってみました。
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慕田峪長城について
この慕田峪長城、まず、ぼでんよくちょうじょうと読めません。
峪(よく)が読めません。
慕田峪長城は、八達嶺長城の東に位置し、範囲は約2,200メートル。
八達嶺長城の約3,700メートルより少し短いですが、八達嶺長城ほど混んでおらず、景観はほぼ同じだそうです。
慕田峪長城は、南北朝時代の北斉がベースを作り、明時代に造り直されたとか。
他の長城では外側に向けて付いている攻撃用の狭間(はざま)が、敵の侵入後に備えて内側にも付いていることが特徴だそうです。
慕田峪長城へのアクセス
慕田峪長城へのアクセスは、地下鉄の前門駅や東直門駅からバスが出ているそうです。
しかし、自分が訪問した際は、北京市内→慕田峪長城→空港と移動したかったため、タクシーをチャーターすることに。
値段は1,100元と少し張りましたが、スーツケースなどの荷物を全く気にしなくて良く、非常に快適でしたのでオススメです。
なお、チャーターの手配をお願いしたのは、北京・王府井にある中国婦女旅行社という現地旅行会社でした。
日本語対応OKで、前日にお願いしても快くアレンジしてもらえました。
運転手さんは中国語しか話せませんでしたが、とても親切で丁寧でした。
長城に登るまで
朝8時、北京市内のホテルに迎えに来てもらい、慕田峪長城までタクシーを飛ばして約1時間半。
写真の、チケット売り場がある建物の、地下駐車場に下ろしてもらいました。
てっきり、寒風吹き荒ぶ荒野みたいなところに下ろされ、雪中行軍みたいになるのかと想像していたので、やや拍子抜けでした。
チケット売り場の周辺も含め、よく整備されており、非常にキレイです。
山の上にある長城までは、以下のような道のりです。
- チケット売り場
- シャトルバス乗り場
- 長城入り口
- 乗り物のりば(ロープウェイ、リフト、スライダー)
- 長城(山の上)
まず、チケット売り場~シャトルバス乗り場は、レストランや土産物屋が並んでおり、とても賑わっていました。
バーガーキングもあります。
次の長城入り口までは少し距離があるので、シャトルバス乗り場からシャトルバスに乗ります。
まあ、「少し距離がある」と書きましたが、シャトルバスで5分程度なので、徒歩でも行けると思います(上り坂ですが・・・)。
長城入り口についたら、入場料を払います。
長城入り口から長城までは、①ロープウェイ、②リフト、③スライダーの3つの選択肢があります(④徒歩で上ることもできます)。
②リフトは、スキー場のリフトみたいな感じです。
③スライダーは伊藤智仁ではなく、すべり台みたいな道を小さなトロッコ(?)で降りる装置です(下り専用)。若者に人気だとか。
下の写真の、左が②リフト、右が③スライダーです。
なお、自分は、行き帰りともに無難に①ロープウェイにしました。
なお、シャトルバス(15元)・入場料(40元)・ロープウェイ(往復120元)などのチケットは、初めのチケット売り場でセットで買うことができます。
万里の長城の寒さについて
さて、今回の訪問にあたり、一番不安だったのは気温でした。
ガイドブックによると、万里の長城は標高が高く、北京市内より5度から10度くらい気温が低いとあります。
12月末の北京市内は氷点下前後なので、マイナス10度くらいなのか!?
そこで、気合を入れて用意した防寒グッズは以下の通り。
- カイロ(靴下用、貼るタイプ、貼らないタイプ)
- スネ下まであるブーツ
- ヒートテックのタイツ
- ヒートテックの手袋
- マフラー
- 耳まで隠れるニット帽
- マスク
- ヒーター内臓ベスト
なお、ヒーター内臓ベストは、この万里の長城行きのために購入した、全盛期の藤川球児ばりの抑えの切り札です。
実際の気温
上で書いた通り、タクシーが初めに着いたのは、チケット売り場の地下駐車場でした。
当日の北京市内の気温は1度。
さて、どれだけ寒いのかと、意を決して屋外に出てみると・・・
あれ?
北京市内と変わらなくね???
しかし、まだ油断は禁物。ロープウェイの行先をみると、かなり山の上の方まで行くようです。
ロープウェイを降りた後は、極寒に違いない。
で、ロープウェイを降りてみると・・・
下より寒くないやんけ!
また、長城はアップダウンがあるため、歩くだけで相当な運動になります。
上着を脱いで小脇に抱えている人が多かったですが、中には以下のような極端な例も見受けられました。
- 半袖のオッサン
- ストッキングのみで、脚丸出しの女の子
- アイスを食ってるお兄さん
・・・ということで、気温に関しては、かなり意外でした。
ただ、晴れて太陽がよく照っていた日だったこと、登ったのが正午前後だったことも影響している気がします。日が落ちたら全然違うのかも。
寒さにビビりすぎる必要はないですが、やっぱり備えあれば憂いなしだと思います。
なお、長城歩きには、雪が凍って滑りやすい部分が多いため、靴はしっかりしたものを履いていくのがオススメです。
※ 陽が当たって溶けた部分を踏んで歩く感じです
観光の所要時間
長城は延々と続いて見えます。
なので、観光にかかる時間は、どこまで歩くか次第であり、人により異なると思います。
かなり向こうの城壁にまで人影が見えましたので、アグレッシブな方であれば体力・気力が続く限り進めます。
自分の場合、10時過ぎくらいにチケット売り場を出発、長城を疲れない程度に歩いて、13時前には戻ってきました。
なお、分かりづらいですが、遠くの山に、うっすら毛主席の文字が!!
毛沢東は「万里の長城に登らないと、いい漢(おとこ)ではない」とコメントしたそうな・・・
ちなみに旅行中はイモトのWifiの「中国プレミアム回線プラン」を使って通常は規制されるアプリも利用可能にしていました。
日本に「万里の長城なう」とLINEできましたが、すごい時代ですよね。
おわりに
今回は、世界遺産・万里の長城の慕田峪長城
(ぼでんよくちょうじょう) をご紹介しました。
ほんと、よくこんなところにこんなものを作ったな!と思います。
北方民族も、わざわざこんなところから攻めて来ないのでは・・・?と思うくらい、長城がなくても天然の要害な気もしますが。
万里の長城は月から見えるという話は流石にガセらしいですが、中国らしいスケールの大きな世界遺産ですので、北京に行かれた際には訪問してみて下さい。