人は、成長するにつれ、様々な人生の階段を上っていきます。
初めて乗る自転車、初めて耐える徹夜、初めて飲むアルコール、初めてする恋人とのXXX・・・
で、30歳過ぎくらいに控えている地味な階段が、初めて飲む胃カメラ。
社会人は、年一くらいで健康診断を受ける機会があると思いますが、30を過ぎると胃カメラという項目が登場します。
胃カメラの代わりにバリウムという選択肢もあり、皆が受けるわけではありませんが、30台で胃カメラを初体験する人が多いのではないでしょうか。
なお、自分は逆流性食道炎という宿業を背負っているため、すでに胃カメラは4~5回受けたことがあります。
関連記事:逆流性食道炎は枕で対策しよう
が、その辛さを毎回すぐ忘れ、翌年の健康診断で「胃カメラってどんな感じだっけ?」となるため、備忘代わりに体験記を残しておくことにしました。
ネットで調べても、胃カメラの素直な感想を書いた記事はあまりないようなので、これから受ける人の参考になれば幸いです。
行列のできる胃カメラ屋 (幻冬舎ルネッサンス新書) [ 倉持章 ]
胃カメラあれこれ
胃カメラの正式名称は上部消化管内視鏡といいます。
胃カメラを受けるまで
胃カメラというか、健康診断のルールだと思いますが、前日は飲酒禁止。
また、21時までに食事は済ませて、それ以降は水分のみ摂取可能です。
※ 健康診断の当日は、起きてから水分すら摂取不可です。
自分は、かつて朝ご飯をたっぷり食べて健康診断に向かったことがありますが、普通に追い返されました。
胃カメラのすごい機能
胃カメラには、検査中に怪しいポリープを見つけたら、その場で切除する機能が付いています。
悪・即・斬みたいで、頼もしいですね。
施術前、怪しいポリープがあったら切除希望か、加えて、切除したポリープの組織検査を希望するかを聞かれます。
切除した場合は、それから数日、飲酒や激しい運動が禁止になります。
胃カメラ体験記
さて、では、いよいよ胃カメラ体験記です。
採血や視力検査など、健康診断のメニューをこなしている途中、「次は胃カメラです」とスタッフさんに言われます。
来た・・・!
体中に戦慄が走ります。
まずは、待合室に通され、看護師さんから説明があります。
「まず、胃をキレイにする薬を飲んでもらいますね~」
腐った塩水みたいなのを紙コップに入れて渡されます。
カッとまなじりを決して、一気飲みしますが、まずい。ヴォエ!!
「では、次に、ノドの麻酔をします~」
リクライニングするチェアに座らされ、口を斜め上に開けると、液体型の麻酔をスプレー(?)で、ノドにシュッシュッとかけられます。
「液体を15秒ほどノドに止めて、そのあとゴックンして下さい~」
言われた通り、ノドにしばらく溜めてから、麻酔を飲み込みます。
すると、ノドが焼けて詰まったようにシビれ、会話も満足に出なくなります。
「胃カメラは何度やってもイヤですよねえ。楽に終えるコツは、上あごとベロを分離することですよ~。」
上あごとベロを分離?
何言ってんだ??
モノを飲み込むときはベロが上あごに付くが、そうならないようにするのがコツみたいなことを強調する看護師さん。
なんじゃそりゃ?
一体どういうこと!?
「飴玉をポンっと飲み込むように、ノドの奥を開けて下さいね~。」
そんな大型の飴玉を飲み込む機会は大人になってから無いように思いますが、反論しようにも声が出ません。
なお、時刻はお昼前。朝から何も飲食していないので、天然の麻酔のごとく、頭がボーっとします。
なので、看護師さんの言葉も、イマイチ頭に入ってきません。
・・・
さて、いよいよ待合室から手術室に呼ばれます。
手術台のようなものの上に、左半身を下にして、寝っ転がります。
手の位置などを微修正され、丸くて中が空洞のマウスピースを咥えさせられます。
お医者さんが言います。
「よだれは全て、下に落としてくださいね。紙が敷いてありますので。」
麻酔のせいで、もはや嚥下(えんげ)も満足にできないので、わざわざ言われなくてもよだれが垂れています。
「モニター見て下さいね。リアルタイムで体の中が見れますから。」
お医者さんの言う通り、目の前にテレビのような画面があります。
で、お医者さんが取り出したのは、黒くて長くてぶっといコード。
こいつが胃カメラ野郎です。
直径が何センチなのかはイマイチ分かりません。
でも、令和の世の中なんだから、もう少し細くならんのか。
まるで、グリンガムのムチのように恐ろしく見えます。
「はい、では、いきますよ。」
思わず目をつむります。
マウスピースの穴を通り、ズルズルと胃カメラが口内に入ってきます。
で、ノドを通った瞬間、すさまじい違和感が。
ヴォオオエエエッ!!ヴォオオオオオ!!!
グウォオオオオオオエエエエエエッツ!!!
まさに、口に棒をぶっ刺された魚みたいな状況です。
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「はいはい、我慢してね~。大丈夫ですよ~。」
手術台の後ろに控えた看護師さんが、背中をさすってくれます。
眼を開けて、ちらっとモニターをみると、鮮やかなピンク色。
ああ、自分の内臓って、こんなにキレイなんだ・・・
とか思っていると、次の苦痛が始まります。
体内をキレイに撮影するため、胃カメラには空気を注入する機能が付いており、胃に空気を送り込んでくるのです。
これがまたツライ。
途中まで我慢しているのですが、耐えきれなくなり、ぷしゅう・・・と情けない音を立ててゲップ。
「あらあら?我慢してくださいね~。頑張ったほうが早く終わりますよ~。」
怒られてしまいました。
もう、よだれはダラダラ、涙はボロボロです。職場の仲間、恋人や家族には、とても見せられないひどい姿です。
その後、内臓の下?にズンッと胃カメラが到達する瞬間があり、これは腹を貫かれたようなイヤな感触。
「はい、それでは抜きますね。」
お医者さんのその言葉を聞くまでが、永遠のように長かった・・・。
スルスルと、すごい勢いで胃カメラが身体から抜けています。
内臓の壁に擦れている感じがして、不快、ヴォオオエエエッ!!
胃カメラ野郎が口からスポーンと抜けたときの安堵感たるや、半端ありません。
間髪入れず、看護師さんがティッシュを渡してくれます。
身体を起こし、目元・口元をサッと拭き、やせ我慢をしてクールに会釈。
その後、お医者さんが撮影した画像をパソコンで見せてくれ、今の上部消化器官の状況について説明してくれます。
なお、ノドの麻酔は1時間くらいで解けて、飲食可能になります。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
胃カメラを突っ込まれている時間は、トータル3分くらいな気がします。
なお、自分は受けたことがないのですが、鼻から入れる胃カメラもあるらしく、こちらは少しはラクらしいです。
でも絵面としての抵抗感は鼻から入れる方がありますよね。
あと、口から入れる胃カメラの方が、詳細なデータが取れるそうです。
今後、胃カメラを受ける人に、少しでも参考になれば(?)幸いです。
がんばってください。