絵本「あらまっ!」は孫vs祖母の仁義なき戦い

あらまっ!」という、少し変わったタイトルの絵本を読む機会がありました。

イギリスで新人作家の絵本に贈られるマザーグース賞を1999年に受賞した作品だそうです。

パトリックという男の子が、おばあちゃんの家に泊まりに行きますが、そこで2人の壮絶なバトルが繰り広げられます

あらまっ! / ケイト・ラム 【絵本】

まず、おばあちゃんが、パトリックに以下のセリフを言うところから、物語は始まります。

「さあ、パトリック!そろそろお日様が沈むから、早くベッドに入って、さっさと寝なさい」

日が沈むから寝ろとは、今時の子供にはけっこう酷だと思いますが・・・

パトリックは以下のように返します。

「でも、おばあちゃん・・・」

僕のベッドなんて、どこにもないよ

「あらまっ!!!?」

この、おばあちゃんの驚きの叫び声が、この絵本最大のウリです。

なお、パトリックは非常にイヤな顔をしていますが、よくみると鼻から何か出ており、読者を不安にさせます。

孫が泊まりに来たのにベッドがなかったという痛恨の状況を打破すべく、おばあちゃんは驚きの行動を取ります。

なんと、庭へ出て大木を切り倒し、木を切って釘を打ち、瞬く間に立派なベッドを完成させます

ドヤ顔のおばあちゃん。

「ほら、パトリック、できたわよ」

「さあ、ベッドに入って、枕を当てて、さっさと寝なさい」

しかし、ここから再びパトリックのターン。

「でも、おばあちゃん」

「枕なんて、どこにもないよ」

「あらまっ!!??」

今度は鳥小屋に走り、すやすや眠るニワトリたちの羽をむしり始めるおばあちゃん。

完全にサイコパスです。

そして、すごい勢いで枕が完成します。

「ほらパトリック、気持ちのいい枕ができたわよ」

「さあ、ベッドに入って、枕を当てて、毛布をかぶって、さっさと寝なさい」

すっとぼけた顔で、パトリックが答えます。

「でも、おばあちゃん」

「毛布なんて、どこにもないよ」

「あらーまっ!!??」

おばあちゃんの叫び声、なんだかバリエーション豊かになってきました。

絵を見る感じ、山を4つほど越え、牧場で寝ている羊の毛を刈り始めます。

羊毛から毛糸にするには様々な工程があるそうですが、一瞬でそれを終え、毛布を編んで毛布を作り、それをさらに紫に染めるおばあちゃん。

「さあ、パトリック」

「ベッドに入って、枕を当てて、毛布をかぶって、さっさと寝なさい。そうそう、クマのぬいぐるみを忘れちゃだめよ」

「でも、おばあちゃん」

「クマのぬいぐるみなんてどこにもないよ!」

若干キレ気味なのか、パトリックの語尾が少し強めになりました。

「あーらーまっ!!??」

絵をみると、犬は既に飽きてテレビを見ています

今度は、窓のカーテンを取り外して切り、綿を詰め込み、クマのぬいぐるみを作るおばあちゃん。

というか、綿があるのなら、枕と布団もそれでどうにかなったのでは・・・

なお、このクマのぬいぐるみ、デザインもヤバイですが、サイズが明らかにおかしい。カーテンはどのくらいの大きさだったのか(そういう問題でもないですが)。

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「さあ、パトリック」

ついに、パトリックを追い詰めたおばあちゃん。

不毛なバトルもクライマックスです。

「ベッドに入って、枕を当てて、毛布をかぶって、ぬいぐるみをだっこしたら・・・」

「さっさと寝なさい!!」

「でも、おばあちゃん・・・」

「もう、朝だよ」

「あーらーまーっ!!!???」

おばあちゃんの敗北の叫び声が響き渡り、これで物語は終わりです。

・・・

この作品、作者はケイト・ラムという方ですが、原題は「WHAT!」だそうです

石津ちひろさんという方が翻訳したようですが、「WHAT!」を「あらまっ!」と訳すなんて、すごいセンスですね

「繰り返しは笑いの基本」と言われますが、これを子供の前で上手に読んで、ちゃんと笑いが取れるような大人になりたいものです。

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