1分でわかる、ヒンデンブルグ・オーメン

金融市場に関するニュースを見ていると、たまに目にする「ヒンデンブルグ・オーメン(Hindenburg Omen)」という単語。

一体どういう意味なのか?

この記事では、ヒンデンブルグ・オーメンの内容、またその由来について、ざっくり説明してみたいと思います。

一言でいうと何なのか?

「ヒンデンブルグ・オーメン」を一言でいうと、株価のテクニカル指標であり、米国の株価が大暴落する予兆となるサインです。

このサインが点灯すると、約1か月以内に、以下の事象が起きると言われています。

  • 77%の確率で5%以上の株価下落(ただし、「マクラレンオシレーター」がプラス転換すると無効)
  • 41%の確率でパニック売り
  • 24%の確率で株式市場に大きなクラッシュ

なんとも恐ろしいサインですね。

では、どういうときにヒンデンブルグ・オーメンは点灯するのでしょうか。

ヒンデンブルグ・オーメン の点灯条件

ヒンデンブルグ・オーメンは、以下の4つの条件を満たしたときに点灯するそうです。

※条件については、解説サイトなどによって微妙に内容が異なるため、ここでは一例としてご紹介します。

  1. NY証券取引所で、①52週高値更新銘柄と、②52週安値更新銘柄の両方が、全銘柄の2.2%を超えている
  2. NYSE総合指数の値が、50営業日前を上回っている
  3. 短期的な騰勢を示す「マクラレンオシレーター」の値がマイナス
  4. 52週高値更新銘柄数が、52週安値更新銘柄数の2倍を超えない

要は、相場が上昇トレンドではあるが(条件1・条件2)、値下がり銘柄数もそれなりに増えてきており(条件1・条件3・条件4)、強弱入り交じり、といった状況でしょうか。

市場参加者が「そろそろ弱気相場に転換する頃かな・・・」と思い始め、何かのイベントをキッカケに一斉に手じまい売りに入りやすいような状況を示しているのではないか、と言われているようです。

「ヒンデンブルグ」の由来など

「ヒンデンブルグ・オーメン」の 「オーメン」は「兆し」という意味で、特に「良くないことが起こる前兆」というニュアンスがあるようですが、それでは「ヒンデンブルグ」とはどういう由来なのでしょうか。

「ヒンデンブルグ」は、旅客輸送用の飛行船「ヒンデンブルグ号」から来ているそうです。ドイツ大統領の名前が飛行船名になったとか。

1/720 LZ129 ヒンデンブルグ 飛行船

現代は飛行機が空の移動手段ですが、その前には飛行船で人々が空を移動していた時代がありました。

その飛行船の時代を終わらせたのが、このヒンデンブルグ号でした。

1937年5月、ヒンデンブルグ号は爆発事故を起こし、36名が亡くなり、多くの乗客が重傷を負ったそうです。

このヒンデンブルグ号は、超巨大かつ豪勢な飛行船だったそうで、事故は当時のメディアで大きく取り上げられたそうです。タイタニック号みたいなイメージですね。

こちらの動画では、その事故の様子が記録されています。

ちなみに、「ヒンデンブルグ・オーメン」の考案者は、Jim Miekkaさんという数学者だそうです。目が見えないのに音声技術を用いて射撃を行っていたというエピソードがある方だそうですが、2014年、通行中に車にはねられ、54歳で亡くなられたとか。

終わりに

なお、ヒンデンブルグ・オーメンの点灯履歴は、このeワラント証券のページなどで確認できます。2019年はこれまでに3回点灯しています。

1985年以降、点灯すると必ず暴落が起きると言われているそうです。リーマン危機の際には、2008年6月にサインが点灯していたとのこと(リーマン・ブラザーズの倒産は2008年9月)。

以上、「ヒンデンブルグ・オーメン」は名前からして異色な指標ですが、金融市場に関わる人にとってはそれなりに注目に値する指標だと思われます。

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